ysajixのブログ

個人的な日記の延長です。気楽に読んでください!

「百瀬、こっちを向いて。」私の心に残ったのは、、、

 

こんにちは、じっくすです。

また小説を一冊読み終えたので紹介します。

 

今回紹介する小説は、永田栄一著「百瀬、こっちを向いて。」です。

映画化もしているので、見たことある人や題名だけ聞いたことのある人もいるのではないでしょうか?

 

私は映画は観たことなかったのですが、本屋を歩いていたらなんか聞いたことある題名だなと思って手に取ってみました。

 

 

読む前は知らなかったのですが、この小説は4作品を含む短編集で、「百瀬、こっちを向いて。」はその中の最初のストーリーになります。

内容としては4作品とも恋愛がテーマになっていますが、その中身はまるで違います。

恋愛がテーマだとそれこそまるまる1冊書かないと内容が足り無さそうに思えますが、短編であるにも関わらず1つ1つの恋愛が丁寧に描かれていて、著者の力量の高さを感じました。1冊まるまるだと中だるみしてしまう場合もありますが、こちらは短編集ですのでテンポよく読み進めることができ、読書嫌いの人でもあっさり味わうことができると思います。

 

 

今回は4作品の中でも僕が好きだなと思った1作品を取り上げて紹介します。

それが「小梅が通る」です(百瀬、こっちを向いて。の感想を期待していた人はごめんなさい。映画化されるほどなのでいい作品なのは間違いないのですが、知っている人も多いかと思いこちらを選びました)。

 

 

主人公の春日井柚木はいつも教室のすみっこにいる地味なグループの1人。できるだけ教室内で存在を消そうとし、だれの目にもとまらないように生活していた。

実は柚木は昔モデルをやっていたほどの超絶美人なのだが、学校ではブスメイクをわざとして目立たないようにしていた。もちろん彼女がまさか美人だなんて誰も知らない。

ところがある日、柚木はクラスメイトの山本寛太に素顔を見られてしまい、寛太は素顔の彼女に一目惚れ。柚木は咄嗟に妹の小梅だと嘘をつくことになる。

その日から架空の妹小梅に再び会うために寛太は柚木に接近して、、、、

寛太の恋はどうなるのか、柚木は嘘をつき通すことができるのか。

柚木と寛太のやりとりが青春を思い出させ、本当の恋とはなんなのかを教えてくれる作品です。

 

 

さて、ここからはネタバレを含むので嫌な人は読まないでください!

 

 

 

この話の醍醐味と言えば本編のラスト部分。

個人的にはびっくりするところが2カ所ありました。

1つ目は彼女と同じ地味グループであった友人の2人が、実は彼女が美人だと知っていた上で友達として選んでいてくれたと知る場面。

そして2つ目が、寛太がいつの間にか美人の小梅ではなくブスの柚木を好きになったと告白する場面です。

なぜこの場面にぐっときたのか。それは柚木が昔友人から言われたセリフが物語を通してずっと残っているからです。

「あなたのことを好きになる人なんていない。あなたに近づく人は、あなたの顔が好きなだけで、あなた自身にはこれっぽっちも興味がないんだからね」

これを言われたから、柚木は毎日長い時間をかけてまでブスのメイクをしていたのです。

ところが、柚木の友人である松代さんと土田さん、そして寛太は柚木の外見ではなくきちんと中身を見ていました。私はこれを読んだとき本当に感動しました。世の中にはちゃんと中身まで見ててくれる人がいるんだな、自分も友達や恋人はそういった人と付き合いたいな、と思ったんです。

 

この場面は今まで柚木が顔のせいでどれだけ辛い思いをしてきたかが鮮明に書かれていたからこそ心に響きます。私の拙い文章ではとてもでないけどその良さを伝えることができないので、是非とも本を手に取ってこの感動を味わってほしいと思います。

 

さて、最後にこの本をお勧めする人たちを紹介して終わります。

この本を読んでほしいのは、恋愛小説を読みたい人、長い話は疲れちゃうけど短編集なら読めそう!という人、タイトルの映画を見たことあるけど原作は読んでないなという人、恋愛のいろんな形に触れてみたい人です!

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

本の感想もっと読みたい!という人や自分もこの本が好きだという人はスターを押していただけると嬉しいです!

 

ではまた次回お会いしましょう。