高齢者運転のニュースについて思うこと
高齢者ドライバーのニュースについて
みなさんこんにちは、じっくすです。
今日はあるニュースについて自分の疑問を検証していきたいと思います。
そのニュースとは、“高齢者ドライバーの事故”です。
知らない人がもしかしたらいるかもしれないので簡単にまとめると、
19日、池袋で87歳の老人が運転する車に跳ねられ3歳の子どもとその母が死亡し、そのほかにも8人が重軽傷を負った。その他にも高齢者の事故が多発していて、市民からは高齢者の運転制度に対する見直しの声が上がっている。
というものです。
最近かなり話題になっていますよね。
ネットでは「高齢者は運転するな」とか、「さっさと免許返却しろ」とか言われています。
ただ、僕がこのニュースを見たときに思ったことは次の2つです。
1.本当に交通事故は高齢者ばかりが起こしているのだろうか。
2.仮に高齢者ばかりが事故を起こしているとして、運転しなくてはならない理由もしくは、免許を返却できない理由が存在するんじゃないんだろうか。
1つ目から見ていきましょう。
これは警察庁交通局が発表している、「平成30年度中の交通事故の発生状況」の中で、交通事故の加害者を年齢別に表したグラフです。
少し見にくいかもしれませんが、一番上のダントツで多いのが10代、次に20代、そして80代以上となっていますが、80歳以上は他の年齢層と比べてもそんなに発生件数は変わりません。
このグラフだけ見ると高齢者よりは若者の方が交通事故を多く起こしていると言えます。ただ注意したいのは交通事故には被害者の死亡に繋がっているものとそうでないものが含まれているという点です。そこでこれを見てください。
先ほどと似ていますが、これは死亡事故に絞った年齢別のグラフです。平成30年度でデータが見つからなかったので、その1年前の平成29年度版から抜粋しています。
これを見ると1番上が10代で、ほとんど同じ件数で80歳以上が来ています。それ以外の年代はほぼ一緒です。これを見ると「え!若い人もめちゃくちゃ死亡事故起こしてんじゃん!」てなりませんか??
そうなんです。報道はあまりされていませんが、10代の交通事故、死亡事故は両方とも各年代と比べて1位なんです。
さて、データによって若者も死亡事故が多いことがわかりましたが、高齢者の死亡事故が多いのも確かなようです。ではなぜ高齢者は運転するのか、免許を返却しようとはしないのか。これについて検討していきましょう。
警視庁の2017年度の調査によると75歳以上の免許保有者全体に占める返納者の割合は4.67%とかなり低い。これには確実に理由があるはずです。
ニュースやネットでは高齢者が「まだまだ元気で運転できる」と言っていたり、若者に比べて自信があるからという話をよく目にします。そこでこれを見てください。
これは平成27年度に警視庁が調査した資料で、高齢運転継続者が自主返納をためらう理由を表したものです。すると全体の7割近くが車がないと生活が不便なため返納しないと述べているのです。
都心部ではともかく、地方に5年間いたからわかりますが、車がないと生活できないような地域は沢山あります。また、これは生活していてかなり思うのですが、都心部の電車やバスなどで、きちんと高齢者に対して席を譲ってあげるなどの配慮のある若者は非常に少ないです。確かに自主返納によって交通機関の値段の割引があるなどのメリットはあるものの、制度ばかりが整って環境や人々のモラルが整っていないように思えて仕方ありません。
さて、ここまでいろいろ書いてきましたが、私が言いたかったことは次の通りです。
・交通事故を起こしているのは何も高齢者だけではないのだから、高齢者ばかりを取り上げるのはおかしい。
・運転するな、免許返納しろという気持ちもわかるが、そうしたアクションを高齢者が取りにくい環境なのも事実。そうした発言をするなら少しでもそうした環境が実現しやすいような行動を若者がとるべき。
以上2点です。
私は別に高齢者ひいきをしたいわけじゃありません。
高齢者が迷惑をかける場面もよく見かけます。
ただ同じくらい若者が他人に迷惑をかける場面も見ています。
今回の件ではあまりに高齢者だけが取り上げられておかしいなと思ったのでこうした記事を書かせていただきました。
僕も運転するときは最新の注意を払って運転したいものです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
私も考えが及んでいない点が沢山あるので、何か気づいたことやおかしな点があったら是非コメントお願いします。