ゴールデンスランバー・伊坂幸太郎
こんにちは、じっくすです。
今回は小説を一冊読んだのでその感想を話していきます。
今回お話しするのは伊坂幸太郎著、「ゴールデンスランバー」です。
とても有名な作品なので読んだ方も多いかと思いますが、読んで面白かったので紹介させてください。
本の紹介の前に著者について少し触れたいと思います。
実は伊坂さんは東北大学を卒業し今も仙台市出身なのですが、僕も仙台に5年間住んでいたことがあります。そのため伊坂さんの作品には仙台の大学や地名が沢山出てくるので、僕としてはその情景がリアルに想像しやすく読んでいて楽しい作家さんであります。
今までも何冊か伊坂さんの作品を読んできたのですが、伊坂幸太郎ファンの友達におすすめの作品を聞いたところ教えてもらったのがこの作品でした。
本の紹介
ある日仙台市で首相就任のパレードの最中、首相が爆殺された。
犯人として様々な証拠と共にメディアに取り上げられたのは青柳雅春。
しかし彼は何も事件に関与していないただの一般人である。
混乱する彼をよそに、巨大な陰謀は彼をどんな手を使ってでも捕えようと追ってくる。
必死に逃げる青柳。
国全体が敵となった今、彼は無実を証明し逃げ切ることができるのだろうか?
スリル満点、マスコミの怖さ、人を信じる大切さなどがリアルに描かれた作品。
今紹介したようにこの話は無実の男性が主人公です。
メディアでは様々な証拠が出されるものの、それらは全てでっち上げ。
真実を知っているのは本人だけです。
私がこれを読んだ時メディアの怖さを感じました。私たちは多くの情報をメディアから収集し、多くの場合それらが事実という前提でインプットします。この小説の中の一般人も、主人公の青柳雅春が殺人犯だと信じています。きっと自分がこの小説の状況に仮に立ち会うことがあっても、決して彼が犯人だということを疑わないでしょう。
また、この小説で印象的なのは、一般人とは逆にメディアの情報を信じず青柳を助けようと奮闘する青柳の知人たちです。知人というのは昔の恋人だったり、バイトの先輩だったり、サークルの同期や後輩、昔お世話になった花火屋のおじさんなど様々な人たち。そういった人たちがまさか青柳が首相を殺すわけないと彼を信じて、多少自分たちも危険にさらされようとも逃走に協力する場面は、人のつながりの大切さを教えてくれます。これを実現したのも主人公の誠実な人柄のおかげです。
自分の知人がこの主人公のような状況になったとき、私たちはメディアでなく知人を信じ切ることができるのでしょうか。また、自分がこのような状況になったとき周りから信じてもらえるようなつながりはあるでしょうか。
この小説では巨大な陰謀に立ち向かう勇気、メディアの偏向報道に流されない心、自分の身を危険にさらしてでも仲間を助けようとする強い気持ちを与えてくれました。
この小説は、
伊坂幸太郎が好きな人
仙台市に住んでいるもしくは住んだことのある人
先の見えない状況を切り開くような勇気が欲しい人
人のつながりの大切さを改めて実感したい人
におすすめです!
ここまで読んでくださってありがとうございました。
リンクを貼っておくのでよければ本を手に取ってみてください!